エコノミックガーデニング鳴門 【現在までの活動報告】
【平成30年度 大学生による市内企業訪問】
鳴門市商工政策課
概要
県内の大学生を対象に、情報収集や地域経済の状況把握をする機会を創出するため、市内企業を訪問する事業を実施しました。経営者及び役員の方々から直接お話しを伺い、その結果をまとめたレポートを全文掲載しています。
鳴門ピクルス 花れんこん
鳴門市の企業紹介
鳴門市大津町はれんこん栽培が盛んな地域です。今回はそんな大津町にあるれんこん畑に囲まれた工房「鳴門ピクルス 花れんこん」を訪問しました。
「花れんこん」の誕生
花れんこんが創業されたのは平成25年11月。同年度に開催された「輝く女性グループ活動事例交流会農産加工品コンクール」にて、れんこんを用いたピクルスが会長賞を受賞したことがきっかけです。平成28年度にはとくしま特選ブランドに認定され、ふるさと納税の対象記念品にもなっています。現在では月に約30箱の注文が入ることもあるそうです。ピクルスの製造の他、様々なれんこん料理に合わせた部位の提供も行っています。

細部にまでこだわって
花れんこんを営んでいるのは斎藤さん親子のお二人。フラワーデザイナーとして活躍した経験のある住子さんと、長男の彰さんとが協力して花れんこんを完成させました。れんこんの鮮度を活かし、出来るだけ生に近い状態で食べられる料理法がピクルスでした。ピクルスを作る上で最も苦労したのは、れんこんを加熱する際の温度。現在では機械が発達して加熱もずいぶん楽になりましたが、以前は鍋を使って一つ一つ自ら研究を行っていました。

温度、水蒸気量、芯温のコントロールが可能
ピクルスに使われるのは最も小さいサイズの一節目のれんこん。掘りたてを24時間以内に調理しています。電解水を用いた洗浄殺菌を2度行った後、95℃のお湯で3分間加熱されます。
「地元鳴門で育ったれんこんをまるごと味わってほしい」と、蓮の実や茎も一緒に調理されています。小瓶に入った真っ白なれんこんや色鮮やかなパプリカは「食べられるハーバリウム」をイメージして作られています。見た目にも非常に美しい一品です。
実際に試食させていただきましたが、程よい酸味と甘みでとても美味しいピクルスでした。ピクルスとしてそのまま食べるだけでなく、チーズやトマトと一緒にクラッカーにのせてカナッペに、ドレッシングとしてそのまま生野菜にかけるのもおすすめの食べ方です。なつめと八角が加えられた薬膳風味もあります。
今後の展開について
将来の目標を伺ったところ、「鳴門のれんこんの知名度を上げること」と語ってくださいました。いわゆるれんこん―蓮の根を食べる国は、世界の中でも日本と中国だけのようです。「れんこんを食べない国の人にも食べてもらいたい」というのが、彰さんの願いです。
最後に今年のれんこんの出来を伺ったところ、「台風や猛暑が続いていますがなんとか大丈夫そう」とのこと。しっかりと出来が確認できるのは、10月から11月にかけてだそうです。
花れんこんは徳島阿波踊り空港3階「スカイショップ しらさぎ」や、ルネッサンスリゾートナルトなど徳島県内様々なところで販売、取扱が行われています。お祝い事やプレゼントにぜひどうぞ。
企業概要
有限会社 ひかりや商店
鳴門市の企業紹介
鳴門市では、定期的に企業訪問を行い、様々な企業の経営者及び役員の方々から直接お話を伺うことによって情報収集や地域経済の状況把握などを行っています。今回は、その企業訪問の一環として、大道銀天街に本店を構える化粧品店「ひかりや」に伺いました。
「ひかりや」の歴史
ひかりやは昭和16年8月、大道銀天街に創設されました。元々は小物を扱っており、昭和35年頃から化粧品販売に注力し始めました。現在のような四階建て店舗が完成したのは昭和47年、その後売り場面積を100坪に増築し、平成8年にはパワーシティ鳴門にも出店しました。「ひかりや」という店名は、現代表立本利博さんのお母さんのお名前である「光子」さんに由来しています。

お客様のために
ひかりやのスタッフは現在17名。今年度の売り上げはピーク時に比べると約1割減少してしまったそうですが、資生堂やジル・スチュアートをはじめとした有名化粧品店25社の品物を扱っています。

それでも数多くのドラッグストアや大型ショッピングモールに負けないよう日々の努力を怠りません。
スタッフの方々は皆、ゴールデンバランスメイクアップレッスン(*1)を受講されたお化粧のプロフェッショナル。取締役の立本陽子さんは全国の化粧品店のプロが集うNCCコスメティック甲子園で金賞を受賞した経験もあります。お客様が持つ本来の美しさを活かし、メーカーやブランドを問わない個人の希望に沿ったサービスを提供してくれます。「人の喜びを自分の喜びに」をモットーに、悩みを抱えたお客様の問題解決、手助けに努めています。時にはお客様に正しい化粧品の使い方を厳しく教育することもあり、「しかりや」と呼ばれることもあるのだとか。
しかし、その様にお客様と本音で会話することができるのもひかりやの魅力の一つです。
今後の「ひかりや」について
「インターネットなどの通信技術が発達していますが、そちらでの販売は…」との質問に「インターネット販売、海外への販売はしません!」と立本さん。鳴門市に人が住んでいる限り、お客様一人一人の顔を見ながら販売を続けていきたいと仰っていました。常にお客様のため、鳴門市のためを考える立本さんらしいお答えでした。(また、本店だけで五億円売り上げたいという目標も語ってくださいました。今後の展開に期待です。)
ひかりやはこれからも私たちに化粧品と自信を与え続けてくれることでしょう。
*1 ゴールデンバランスメイクアップレッスン
顔全体のバランスを分析し、メイクで「美の黄金比」に則った美人顔に近付ける化粧法。資生堂トップヘア&メイクアップアーティストの西島悦氏が確立。
企業概要
有限会社 ひかりや商店/HIKARIYA

所在地
ひかりや 本店 0101プラザ
〒772-0003
徳島県鳴門市撫養町南浜字東浜645
連絡先
088-685-0101
営業時間
A.M.9:00~P.M.20:00
(休業日)毎月第三日曜日、毎年1月1日~3日、8月1日
駐車場
35台有
有限会社 うずしお食品
企業紹介
今回、有限会社うずしお食品の専務取締役後藤弘樹さんからお話をお聞きしました。うずしお食品は、昭和52年創業の鳴門わかめを取り扱う「徳島県鳴門わかめ認証制度」第1号認定企業です。主に販売されている商品は、湯通し塩蔵わかめや生わかめ、冷凍わかめなどの商品があります。冷凍わかめは、平成29年度優良ふるさと食品中央コンクールの新技術開発部門で農林水産大臣賞を取っています。

うずしお食品では、お客様に安心・安全な商品を提供できるようにトレーサビリティや衛生管理を徹底して行っています。トレーサビリティとは、いつどこで仕入れて、いつどこでできて、いつどこから出荷されたかの詳細が確認できるシステムの事です。この取り組みが取引先から水産業界の中でもトップクラスではないかと言われるぐらい、徹底されています。
企業概要
有限会社 うずしお食品
所在 徳島県鳴門市里浦字花面350‐32
代表者 代表取締役 後藤祥二
粋美―(すいみい)
企業紹介
今回、粋美―(すいみい)の河田奈弓さんからお話をお聞きしました。粋美―は、地方にある隠れた魅力を持った小規模事業者にスポットを当て、総合的にプロデュースをする地域商社です。名前の由来は、オランダ出身のアメリカ絵本作家の絵本スイミーからきており、「ちいさなさかなのかしこいはなし」自分たちもそうありたいと考えてこの名前をつけたそうです。

粋美―の現在活動している中心メンバーは、
井上味噌醤油株式会社
仲須苆製造所
有限会社畑商店
花れんこん
洋食 元
鳴門市地域おこし協力隊(事務局)
のみなさんです。他にも、上田食品有限会社やオサメソース株式会社などのたくさんの事業者と一緒に活動しています。
粋美―の活動には、月1回、仕事終わりに事業者同士が集まって話し合いを行う、「粋美―の夜更かし」と言うものがあり、そこで粋美―の活動について話し合いをします。コラボ商品の開発や、事業者同士の人手不足の課題にも取り組んでいます。コラボ商品は、洋食元と花れんこんのコラボでアユのコンフィーを商品化しました。花れんこんの加工技術によって無添加で長期保存が可能な加工品に仕上がりました。そして、鳴門市のふるさと納税の返礼品にそのコンフィーと花れんこんをセットにしたものが採用されています。人手不足の課題には、繁忙期の違いを利用して事業者同士、苆に使用する藁の収穫やみりん製造過程の麹と米をまぜる作業などを手伝っています。小規模事業者を多くの人に知ってもらうために情報の発信として、SNSを活用した広報活動やなるとビジネスプランコンテスト2017への出場、とくしまマルシェなどのイベントにも多く参加しています。第12回第九の里まつりに参加した時には、仲須苆(すさ)製造所の苆を使った土壁塗り体験やオサメソースで作った焼きそば、洋食元の歓喜の揚げピザなどを提供しました。焼きそばは、すごく反響が良かったと聞きました。こういった多くの活動をしていく中で、大事にしていることを質問したところ、事業者の事を一番に考え、妥協を絶対にせず最悪の状況を常に考えて行動することを心掛けていると話していました。