活動報告

エコノミックガーデニング鳴門 【現在までの活動報告】

【令和2年度 大学生による市内企業紹介】
鳴門市商工政策課

概要

 県内の大学生を対象に、情報収集や地域経済の状況把握をする機会を創出するため、市内企業と対談する機会を設けました。経営者及び役員等の方々から直接お話を伺い、その結果をまとめたレポートを全文掲載しています。

いしはら整骨院

企業紹介

徳島大学 総合科学部 社会総合科学科 山口 彩水

いしはら整骨院とは

 いしはら整骨院さんは、針灸×柔整×物療のハイブリット治療で早期の改善を得意とする整骨院で、特にスポーツのケガでの来院が約6割を占めています。いしはら整骨院さんには鳴門市のスポーツしている学生さんたちが多く来院するようです。今回はそんな鳴門市の健康を支えるいしはら整骨院さんの魅力を教えていただきました。

(1)整骨院を始めたきっかけ

 院長自身が学生の時に野球をしており、当時ケガに悩んでいて、スポーツのケガで悩んでいる学生たちが元気にのびのびとスポーツに打ち込めるようになってほしいという思いから7年前に立ち上げました。当時の自身の経験や学んだ技術を生かして、患者さんそれぞれに合った施術を行っています。

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(2)スポーツでのけがの原因

 「最近の子はけがが特に多く骨折で来院されている方が増えています。過度な練習や、練習前にきちんと準備運動ができていないことが主な原因です。」と石原さん。野球部のような練習を遅くまで行う部活動でも練習終わりに来院できるように、できるだけ夜遅い時間でも対応するように心がけているようです。

(3)いしはら整骨院をよりよくしていくために

 今後の取り組みについては、技術や設備のアップグレードを行って骨折の回復治療を早め、より効果的なリハビリを提供していくということやコンディショニングチェックの導入を考えているようです。コンディショニングチェックとは、今後も安全に続けられるようにスポーツ等をする前に自分の身体の異変をチェックしておくというものです。「日本は予防に対する意識が低いように感じています。欧米やヨーロッパではお金をかけてけがをしないようにするんですよ。」と石原さん。いしはら整骨院さんの取り組みをきっかけに鳴門市全体で予防に対する意識が高まっていくことでしょう。

石原さんのモットー

 「体も心も健康に、人生そのものに寄り添いたい。これが私の軸になっています。」この言葉からお客様を第一に考え施術を行う石原さんの熱意が伝わってきました。石原さんは「治療」「美容」「予防」の3つの観点からお客様それぞれにあった施術を提案しています。石原さんに一番気を付けていることをお聞きすると「病院はマニュアルに沿って診察するところもありシステマチックになりがちですが、実際は同じ症状でも原因は異なっているということもあります。私たちはその人に寄り添ったオーダーメイドの施術をすることを心がけています。」と自社の魅力を語ってくださいました。

Romanifとは

 Romanifは奥様が立ち上げたサロンで、美容鍼灸やファスティングや発酵よもぎ蒸しといった施術を行っています。石原さんは鍼灸師の国家資格を持っており、Romanifは鳴門市で唯一の美容鍼灸認定院です。

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取り組み

 お客様の美容をサポートするためにインスタグラムを活用した取り組みを教えていただきました。 「ファスティングというメニューのサービスなのですが、お客様がRomanif専用アカウントを作って、食事の写真を投稿するというものです。体調管理の意識を高めて継続させることが目的です。」いつでも石原さんに食事のアドバイスを聞くことができるため非常に画期的です。他にもお灸の講座なども開催しています。

美容とは

 「美容は健康あってこそ。美容は治療と根底は同じです。健康になることで綺麗に磨きがかかります。」と石原さん。美容は奥が深く、病気とも密接に関わっているようです。そしてRomanifさんの大きな強みでもあるのが、男性でも利用できるということです。営業職などは特に印象をよくすることが大切ですし、デスクワークで疲れがたまりやすい方等にはニーズがあるようです。

石原さんの仕事観

 健康から美を考えている身として、また、子供を育てる母として、石原さんご自身の働き方に関して考え方を教えてくださりました。「仕事は人生の一部です。自分を知ることが大切です。」と石原さん。そのため石原さんは一日の来院者数を2人までに制限しています。それでも年間300人が来院するという人気ぶりです。ベッドを清潔に保ったり冬場はベッドを温めたりする等お客様に快適に利用してもらえるような心遣いも忘れないそうです。

「少し身体がだるいな」、「綺麗になりたい」と感じている方はぜひRomanifさんを訪れてみてください。

企業概要

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いしはら整骨院

 住所
 〒771-0360 徳島県鳴門市瀬戸町明神字鳴谷113-3

 アクセス
 鳴門駅より車で5分

 連絡先
 088-688-2315 (FAX)088-688-2315

 営業時間
 平日8:00~12:30(最終受付12:30) / 15:00~ 20:00(最終受付20:00)
 土 8:00~ 14:00(最終受付14:00) 予約のある場合は時間外対応可

 定休日
 日曜日(祝日は予約診療のみ)

美容部門「Romanif」※完全予約制

 連絡先
 090-2899-3442

 営業時間
 平日10:00~15:00(2名様限定)
 土 10:00~18:00(3名様限定)

企業紹介

四国大学 経営情報学部 経営情報学科 大森 天翔

いしはら整骨院の誕生

 いしはら整骨院が創業されたのは、平成25年6月。今年で7年目になります。院長の石原さんは幼いころから水泳や野球をしておりスポーツをする中でいろいろなけがに悩まされていました。その時に整骨院や鍼灸院にお世話になり早く回復し復帰することができ、スポーツを引退したあと「次は自分がけがで困っている人の役に立ちたい」と思ったことがきっかけです。

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 いしはら整骨院では、姿勢矯正×筋肉調整で痛みを改善します。
また、院長の奥さんが美容部門として「Romanif」美容鍼灸と発酵よもぎ蒸しのサロンも展開しています。

心に寄り添う

 いしはら整骨院のビジョンは、「身体だけでなく心も健康になり、人生そのものに寄り添える存在となる」です。そのビジョン通り、同じ症状・痛みであっても、ひとりひとり施術方法を変え、その人に合った施術を提案していただけます。
 また、来院する約6割がスポーツ傷害の症状を抱えたスポーツ活動者で、スポーツを行う方々の早期復帰のサポートに力を入れています。また最近はけがをする子どもが増加しており、特にいしはら整骨院の患者様では骨折した人が増え、現代人は体が硬くなっているのではと考えられます。日本は国民健康保険制度のおかげでけがをしても安く治療を受けることができ、予防をする人は他国に比べると少ない傾向にあります。そのためコンディショニングチェックにも力を入れており、自身の経験を活かし野球のトレーナーとしても活躍しています。高校野球の球場トレーナーや少年野球の野球肘検査を行い異常がないかエコー検査をします。練習量や投げるペースなどを監督さんに直接伝えられることができ、スポーツを長く楽しめるようにけがする前にチェックすることでけがを未然に防ぎやすくなっているそうです。

美容鍼灸と発酵よもぎ蒸し「Romanif」

 2015年に立ち上げた、美容鍼灸とよもぎ蒸しを受けられるRomanif。ひと月に20₋25人が来院されます。1日2名までの完全予約制になっています。

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(1) 美容鍼灸

 スキンケアなどの表面的なケアに満足できない女性たちに高い
支持がある美容法。

(2) 発酵よもぎ蒸し

 徳島県下初導入の発酵よもぎ蒸し。発酵菌の働きで腸内環境や子宮環境まで整え、美肌効果や自律神経・ホルモンバランスを正常にするなど幅広いお悩みに対応。全10種類の薬草を、その日の体調に合わせてブレンドする完全オーダーメイドの配合。

(3) ファスティング

Romanifでは医食同源をもとに栄養指導を行いインナービューティーをお手伝い。ファスティングの実施は、自己流ではデメリットが伴うため対面やオンラインのどちらでもサポート可能。

 徳島県初ということもあって珍しくまだ認知されていないようです。SNSでの発信やピラティス・外部の先生を招くなどのイベントを行い認知度を高めていっているようです。

今後について

 整骨院部門と美容部門ともに技術の上達のサービスを行い、設備面では新しい機械を取り入れるなどアップグレードをし、顧客層の拡大につなげるための患者様に喜ばれるサービスを展開するようです。いしはら整骨院とRomanifはこれからも健康と美容を与え続け、今後も患者様の心に健康に寄り添っていくでしょう。

企業概要

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いしはら整骨院

 所在地
 〒771-0360 徳島県鳴門市瀬戸町明神字鳴谷113-3
 電話番号
 088-688-2315

 定休日
 日曜・祝日・土曜午後
 土曜日は14:00まで

受付時間 日祝
08:00-12:30 ×
15:00-20:00 × ×

美容部門
 徳島の美容鍼灸と発酵野草蒸し Romanif

 所在地
 〒771-0360 徳島県鳴門市瀬戸町明神(詳細は予約時)
 電話番号
 090-2899-3442
 営業時間
 月~金 10:00~15:00(2名様限定)
 土 10:00~18:00(3名様限定)

福寿醤油株式会社

企業紹介

徳島大学 総合科学部 社会総合科学科 山口 彩水

福寿醤油株式会社とは

 鳴門市大麻町の旧撫養街道沿いに店を構える、文政九年(1826年)から続く老舗のお醤油屋さん。個人以外にも徳島の様々なお店や企業で使われていて、徳島県の味として福寿醤油さんのお醤油は欠かせない存在です。ふるさと納税の商品にも登録されていて県内外から高く評価されています。今回はそんな伝統の味を守り続ける「福寿醤油」の九代目松浦さんにお話を伺いました。

松浦さんのこだわり

(1)福寿醤油の特徴

 「194年前の創業当時と変わらない製法で味を一定にしています。そして大きな特徴は一年以上諸味(醤油麹に食塩水を混ぜ、発酵タンクや木樽に仕込んだもの)を発酵させてお醤油を作っているというところですね。」とお醤油へのこだわりを語る松浦さん。通常のお醤油は3ヶ月~6か月ほどの発酵ですが、長めに醸造期間を費やすことで深いコクが出るそうです。しかし、長すぎると酸化し風味がとんでしまうため、醸造期間の調整がとても難しいのですが、福寿醤油さんは194年間の実績で香りと深みのある旨味の出し方を見つけたそうです。

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 さらに、伝統の味を受け継ぐために、醤油蔵は創業当時である江戸時代のものを使い続けているそう。醤油蔵の内側の酵母菌によって味が変化するので、先代から育てている酵母菌を守るために同じ醤油蔵を使い続けることが大切なのだとか。

(2)大切にしていること

 個人以外にも様々なお店で福寿醤油さんのお醤油が使われているそうで、「福寿醤油さんの醤油じゃないと」との声をいただくことも。そんな松浦さんがお醤油を作る上で日々大切にしていることが2つあります。一つ目は「お客様を感動させること」です。これは以前、勤めていた不動産会社の営業の先輩からの教えで、今でもこのスタンスを続けているそうです。人は感動すると自然と行動に移すもので、お醤油を一人でも多くのお客様に感動していただくことが長く愛されるために一番大切なことなんだとか。
 二つ目は「人のために仕事をすること」です。お客様はもちろん、従業員やその家族のことを考えていると、福寿醤油をしっかり守っていかなくてはならないと強く責任を感じるそうです。

取り組み

 福寿醤油さんは多くのお客様に感動を与えるために、無料で30分ほどの見学や、製品のテイスティングを行っています。昨年は見学に約5000名の方を案内したとか。また、観光バスの誘致や、向かいの酒蔵と協力した「撫養街道kura&kura」の企画の考案など、鳴門市を盛り上げていくことにも力を注いでいるそうです。そのほかにも営業職で培った経験を生かしてホームページやオンラインショッピングサイトを開設し、近年高まるネットでの購入のニーズにも応えていらっしゃいます。

目標と課題

 「目標はずばり目指せ創業200年。昔ながらの製法にこだわってお客様に愛され続けるお醤油を作り続けたいです。息子に自信をもって家業を継いでもらえるように、福寿醤油をより魅力的にしていくことが課題ではありますね。」と松浦さん。今後の福寿醤油さんの発展に期待です。

商品について

 「まず一度試して感動してほしいです。希望されるお醤油を提供できる自信があります。うちのお醤油は世界一おいしいです。」と自社のお醤油への愛情を強く語ってくださいました。商品はすだちしょうゆやポン酢やめんつゆ等もあり全部で20種類以上。道の駅、スーパー、お土産屋さん等でも一部取り扱いをされています。おすすめの食べ方をお聞きすると「人それぞれ舌が違うから味の感じ方も人それぞれですのではっきりと言えるものではないんです。好きな食べ方をお客様自身でじっくり試飲して選んでいただくこともうちのお醤油の楽しみ方ですね。」機会があればぜひ福寿醤油さんを訪れて感動を味わってみてください。

企業概要

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福寿醤油株式会社

 代表取締役
 松浦 亘修
 所在地
 〒779-0303
 徳島県鳴門市大麻町池谷字大石8
 連絡先
 088-689-1008 (FAX)088-689-1009
 営業時間
 8:30~ 17:00
 定休日 日曜・祝日

企業紹介

四国大学 経営情報学科 経営情報学部 大森 天翔

「福寿醤油株式会社」の歴史

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 福寿醤油は1826年(文政9年)大麻町に創設され現在9代目、長い歴史があります。2代目・平兵衛が徳島県の気候とキレイな水に着目して醤油製造業を始めました。
 元々は醤油と味噌を扱い、今ではポン酢やドレッシングなども扱っています。
 現在、醤油を販売している会社は1300社ほどありますが、原料から醤油を製造し販売する会社は今では150社程度であり、そのうちの数少ない会社の1つです。昔ながらの蔵や製法を受け継ぐことで同じ味を代々守り続けています。

醤油ができるまで

 家庭の味というのは、醤油の味で決まると言っても過言ではないほど大切な調味料の1つです。

(1) 製麴(せいきく)

 醤油麹をつくることを製麴といいます。蒸煮した大豆と、炒り砕いた小麦に種麹を加えて麹室(こうじむろ)に盛り込みます。温度25₋32℃、湿度70%の状態を保ち、かき混ぜる手入れ作業を行うと3日間で醤油麹が完成します。

(2) 仕込み

 完成した醤油麹に食塩水を混入して発酵タンクや木樽に仕込んだものを諸味(もろみ)と呼びます。櫂入(かいい)れという空気を送り込みながらかき混ぜる作業を定期的に行い、福寿醤油では1年以上の時間をかけ熟成した諸味を使います。

(3) 圧搾

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 槽(ふね)と呼ばれる木枠で囲んだ大きな箱に1m四方のろ布を広げ、諸味を敷き詰めます。四隅を畳みこんで上に小さなハンカチと呼ばれる布をかぶせます。この工程を何度も繰り返し、ろ布を約300枚以上に重ねていき、上から圧をかけていきます。

(4) 火入れ

 搾った生醤油の成分調整をした後、加熱します。火入れは、殺菌の他に色・味・香りを整えたり酵素の働きを止めて品質を安定させるなどの目的があります。蛇管(螺旋状の管)の付いた大きな窯を使って84℃まで上昇させます。

(5) ろ過

 火入れ後、常温に戻るまで3日を要し、冷めるとオリと呼ばれる不純物(大豆・小麦等のカス)を取り除くろ過を行います。

お客様のために

 福寿醤油のスタッフは現在10名。お客様に認知していただくために、小学校への出張訪問や釜祭り、醤油蔵を見学できるイベント(現在はコロナウイルス感染症の影響のため、中止しています)を開催しています。
 醤油蔵の見学では、昨年は約5000人参加しました。醤油づくりの見学や醤油のテイスティングをし、好みの醤油を探すことができます。
 醤油を作るには熟成期間が必要です。通常の熟成期間は6ヵ月間ですが、福寿醤油の場合1年以上熟成させます。このじっくり時間をかけた自然発酵こそが、醤油本来の香りと深みのある旨味を生み出していきます。

今後の「福寿醤油」について

 今後の目標と課題を聞くと、「目指せ創業200年。現在、創業194年ということであと6年。次の代の息子のためにもっと魅力的なお店に成長していきたい」と松浦さん。
 福寿醤油の醤油は、道の駅やスーパー、お土産屋さんなどで一部商品を販売・取り扱いが行われています。また、実際に大麻町の福寿醤油に足を運び自分に合った醤油を選ぶことができることも魅力です。これからも醤油を製造・販売を通して家庭の味を守ってほしいです。

企業概要

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 福寿醤油株式会社

 代表取締役
  松浦 亘修
 所在地
  〒779-0303 徳島県鳴門市大麻町池谷字大石8番地
 連絡先
  088-689-1008
  (FAX)088-689-1009